かなり「お見合い」について学び、この業界にも強く興味を持っていましたから、結婚後、私が登録していた結婚情報サービス会社に「私を雇ってください!」と押しかけました。

ただ、社員にはなれず、入会者を紹介したら一人4万円という契約を結んで仕事をすることに。しかし、そこではなかなか結婚が決まりませんでした。

次に、兵庫県の結婚相談所で働きました。そこは一人紹介すると8万円。

当時はまだインターネットなどありませんでしたから、会員さんは、相談所に置いてあるファイルでお相手を探します。例えば、35歳の女性が来ると、38歳くらいの男性のファイルを見ます。その条件はたいてい大卒、会社員、年収500万円以上。女性の年齢がちょっと上がれば、さらに「親の介護を考えて家の近くに住んでくれる」、という条件が付きます。

そうなると、結局、同じ男性しか選ばれません。例え「この人、写真はええけど、実際はほんまに覇気のない人」と思っても、私は言えません。

あるときは、年収250万円くらいの男性が、芦屋のお嬢様を「逆玉ねらいや!」と選んでいったりもします。私は「そりゃ無理では…」と思いますが、言えません。結婚相談所の従業員ですから、「来週申し込んどくね~」って言って申し込んであげるしかないんです。でも、実際にはお申し込みをしても、相手に受けてもらえなければ会うことはできません。

自分の体が弱いからお医者さんがいい、という女性もいました。「だっていつもそばにいてくれる人がお医者さんだったら安心だから」と言うんですが、医者はとても忙しい仕事。いつもそばになんていてくれる訳がありません。

ほかにも、40歳女性で年下男性ばかり選んでいる人もいました。

これらを社長に言っても、「お客さんは選びたくて来てるんだから、選んでもらわねば」。でも会員さんは、みんなが同じ人に申し込んでいることさえ、分かっていないんです。そんな状態では当然会えないし、なかなか結婚に結びつきません。大金を払って入会しているから、理想を下げる必要なんて感じないでしょうし、誰かが言ってあげなければ、どんどん理想は上がっていくものなんです。
だからこそ、自分が仲人として独立したときには、包み隠さず本音を言おう、と決めました。そのときはおせっかいだと思われても、身内も友だちも言ってくれないことを言って背中を押すことこそ、成婚のために絶対に必要だと思ったのです。

本気で結婚したい人なら、必ず後で分かってくれるはずですから。