実は、私もお見合いで幸せな結婚をつかんだ一人です。

私は、20歳で結婚生活を始め、28歳で離婚しました。彼が求める「女性は家に」という考え方が、私には合わなかったからです。

仕事をしていたので生活には困りませんでしたが、やはり30歳を目前にして、これからの人生をたった一人で生きていくのはさびしいと思いました。そこで、書店でもらった結婚情報サービス会社のハガキを送付したところ、次の日から勧誘の電話攻撃が開始! 入会金は聞いても教えてくれず、「とにかく来なさい」の一点張りです。これに根負けして、とうとう説明を聞きに行くことになりました。

一通り説明のビデオを見て、お相手の希望を書いて、最後の最後に入会金が33万円だと分かりました。33万円は今でも大金なのに、20年前の33万円は、29歳の私にとってはもう財産と言ってもいいくらい! 「考えてきます」と言ったのですが、「あなたも1日1杯コーヒーを飲むでしょう? その1杯分で、人生が開けるのよ」などと言われて……。よくある手ですね。「ハンコもないし……」と言ってもダメで、拇印を押して入
会させられました。

入会した次の日から、毎日200通くらい、男性のプロフィールが家のポストに届くようになりました。お相手の希望を。「何でもいい」「こだわらない」にしたので、それに当てはまる膨大な数のプロフィールが届いてしまうんです。条件を関西圏に絞ったりすると、すぐに1日20通くらいに減りました。20通なら楽しみながら見られる数です。

でも、当時はケータイもありませんから、お相手の自宅に電話をかけて「お見合いOKです」の返事を伝えなければいけなかったんです。先方のご家族にいぶかしげな態度をとられるなど、いろいろ気遣いも大変でした。

私が入った結婚情報サービス会社の紹介期間は2年間。「入会金を33万円も払ったんだから、29歳から30歳までの1年間はとにかくいろんな人に会いまくろう」と決めました。

しかも、そのころは5時半に仕事が終おったので、6時半には待ち合わせができます。その時間帯だと、うまくすると夕食をごちそうしてもらえる! ここに気づいてしまうとは……。我ながら大阪人ですね!

そこで、月曜日から金曜日まで、びっしりお見合いを入れて、「おなかがすきませんか?」「仕事帰りなんです」などと甘えてみると、たいてい夕食へGO! しかも、お嫁さん候補だと思うと、相手も適当なお店には行きません。きちんとしたレストランに連れて行ってくれるんです。モテてる気分になりましたね。

もちろん、中には嫌な人もいました。でもその時期は、どんな人に会うのも勉強だ!という態勢だったので、結構平気でした。
その1年間は、本当に楽しかった。ただ、いろんな人に会うという目的があったので、いいなと思った人がいても、同じ人に2度会うことはほとんどしませんでした。だから、いつも自分から断ることになるんですが、それは毎回良心が痛みました。

そこで思いついたのが、別れ際にクッキーを渡すこと。「今日はありがとう。これ、自分で食べるつもりで買ったんだけど、良かったら食べて」と帰りしなに渡すと、どんなに高価な食事をおごってくれた人でも、「ありがとう!」と喜んでくれるんです。

クッキーはいつも2種類持っていました。すごくいい人だったら500円のクッキー、イマイチだと思ったら200円のクッキー。そうすることで、笑顔で別れられたんです。

「どこに行く?」と相手に聞かれたときに、考えなくていい方法も思いつきました。デートコースを3コース用意しておくんです。Aコースは須磨の水族館、Bコースは王子動物園、Cコースは六甲山。毎回同じ場所なら、勝手も分かっているし、相手がどんな振舞いをするか、落ち着いて比較できるんです。毎回ここで「のどが渇きましたね」とジュースを買いに行こう、などという細かい気遣いも自然にできるようになります。

これらの方法は、今、私が仲人としてお世話をする際のアドバイスに、とても役立っています。

結局、1年間で80人以上の男性とお見合いしました。丸1年、お見合いを堪能したので、次の1年で結婚しよう! と本気モードに切り替え、しばらくして今の主人と出会い、結婚しました。