いつまでもあると思うな親と健康

よくお母さんが、「うちの娘、いくら言っても結婚したくないって言うんですよ」と相談に来ることがあります。でも私は、「それは娘さんの人生。放っておきなさいよ」と言います。道を曲げるのは、仲人の仕事ではないからです。

でも、娘さんの方に言うとするなら、「いつまでもあると思うな親と健康」。つまり、親が元気なうちでないと、すんなり結婚できないよ! ということです。

娘が38歳くらいになってしまうと、たいていのお母さんはもう「結婚しなさい」と言わなくなります。これは、「もう孫は期待できないかしら……」と思い始めたということ。同時に、これから自分を守ってくれる人、つまり介護してくれる人が必要だということに気づき始めるんです。

よくあるのが、娘が38歳や40歳くらいになって、まずお父さんが倒れる。それで母子二人になってしまった、という例です。そうなるとお母さんは、「これで娘までいなくなってしまったら、私はどうしたらいいの?」と思い、突然、娘を結婚させたがらなくなる。一方で娘の方も、実家にパラサイトしているにも関わらず「一人で大丈夫」なんて言っている。母子がお互いに寄りかかってしまうんです。

また、これから5年先、10年先に、お父さんやお母さんどころか自分が倒れたとき、その負担はきょうだいにかかってくるのだと分かっているかどうか。

だから最近では、「私は結婚しているんですが、うちの兄が独身で心配です」と言って、きょうだいが相談に来ることも結構多いんです。
このような将来を、20代で考えろというのは無理があるけれど、アラフォー世代にとっては意外に目前かもしれません。明日起こってもおかしくない状況になっているんです。それを分かっていない人たちが今、多すぎます。

 

「今は結婚したくない」と5年後も言えますか?

結婚したいと思う人が増えてきたとは言え、アラサー、アラフォーの中には、「今すぐ結婚とは考えてない」とか「相手に妥協してまで結婚したくない」と、のんびり構えている人たちも、まだまだたくさんいます。

アラサーくらいになると、仕事もおもしろく、会社での評価も高くなり、自由に使えるお金もそこそこたまってきます。おまけに自宅の居心地まで良かったりする。ですから、彼らが「急いで結婚しなくても」と口を揃えるのも分かるんです。

でも、そんな人たちも、「いずれは……」と思っているはず。本心で「一生、結婚したくない」と言っている人なんて、ほとんどいないと思います。

そういう人たちに、いつも私が聞くのは、「あなたは、自分一人で生きてきたと思っているけど、これから先もずっと一人で生きていけると思う?」ということ。「はい」と答える人でも、「じゃあもし明日、病気で倒れたり、仕事がなくなったら、生活の面倒をみてくれる人はいるの?」と聞くと、途端に黙ってしまいます。

以前、「私は一人で生きていきます」と言っていた女性がいました。彼女は一人暮らしをしていたのですが、ある日突然、リストラに遭ってしまいました。両親は弟夫婦と住んでいるので、実家に帰ることもできません。「あんなに仕事を頑張っていたのに、私がこんな目に遭うなんて」と泣いていましたが、一人で生きていく覚悟を決めるなら、こういうことも想定しておかなければいけないのです。

自分が将来のことをしっかりと見据えて、それでも結婚したくないのなら、それは人それぞれの人生で構わないと思います。でも、一人でやっていく、と決めたなら、それは貫ぎ通さなくてはなりません。40歳になって、「やっぱり結婚しよう」と思ったって、お見合い相手として出会える人は35歳のときとは全く違います。それを頭に入れておかなければ、後で悲しい思いをすることは必至なのです。
「一人が気楽でいいや」と思っていても、人は途中で気が変わるもの。友だちの家族を見たら、「ああ、やっぱり私もあんなふうに、子どもと手をつないで歩いてみたい」と思うかもしれません。そう思ったときに、そのときの自分の人生・現実を受け入れられるかどうかだと思います。それを受け入れられなかったら……、辛いですよね。